PURPOSE目的・用途

非住宅プレカット

非住宅プレカット

少子高齢化の影響等もあり、今後国内の住宅着工数の劇的な増加は見込めないと言われる一方、公共建築物等木材利用促進法の施行以来、非住宅分野の木造化が近年活発化してきました。一部のプレカット工場では、住宅用プレカットの減少見込みを埋めるべく、非住宅・中大規模木造建築への対応が叫ばれるようになっています。

従来、そうした大型特殊木造物件は、大断面集成材を使った大きな梁や太い柱と、接合部1個所1箇所に異なる製作金物を作る必要があるものが多く、打ち合わせやCAD入力、加工の難易度も一般住宅のそれと比較するとはるかに高いのが実情でした。その上、ほとんどのプレカット工場では対応する機械がなく、CAD担当者や手加工の大工さんを含めて対応出来る人材も限られる為に敬遠する傾向にあり、住宅案件の数をこなすことに注力してきた経緯があります。

しかし、木質2方向ラーメン構造を謳うSMB建材(株)のサミットHR工法や、シェルター(株)のKES構法、NCN(株)のSE構法、(株)スクリムテックジャパンのホームコネクター工法、最近では(株)ATAのハイブリッドトラス構法などの登場で中大規模木造へのハードルが下がり、昨今では流通材でもそうした物件に対応出来るオープン金物も開発される等、更に非住宅対応への門戸が広がったとも言える状況です。

ドイツ・フンデガー社も、欧米各市場や日本市場で増えてきた大断面集成材やCLTの加工に対応すべく、Ø900mmの丸鋸を使う水平丸鋸ユニット、木口から650mm(オプションで1250mm)の穴あけを実現するユニバーサルドリル、オリジナルで開発した強度の高い大断面用チェーンソーユニット等、次々と新しい加工ユニットを開発し、超大断面集成材の加工に対応してきました。

フンデガーK2シリーズと時を同じくして国内導入されたベルギーが本社のhsbcadも日本市場に入るにあたり、単にメニューを日本語化するだけでなく、日本市場で当然のように求められる在来軸組工法や各種金物工法への対応を行い、その上で元々持っていた入力の自在性を活かした非住宅特殊物件の対応力が評価され、フンデガーの自在性を最大限活かすCADとして認知され、今に至ります。また、ネットイーグルの非住宅プレカットCAD、OPEN-NET XF15も早くからフンデガーインターフェースを持ち、年々大きな進化を遂げています。

国内市場でも大断面が扱える加工機の選択肢が増えてきましたが、果たしてその加工機は本当に中大規模に必要な加工が出来るのか。もし特殊加工機を検討されるなら、しっかりと比較検討して見極めることをお勧めします。大断面が加工出来るというだけで、求められる加工が出来るとは限らない為、大工さんの負荷を減らそうとしたのに結局は仕事を増やす結果になったり、工法を限定しないと対応出来ないといった事例もあるようです。

求められる加工の難易度(角度や斜角の制限、彫りや穴、スリット等の深さ、その他特殊な加工形状等)、その前段階のCAD入力の難易度も含めて、フンデガーでなくては加工出来ない接合部などの加工も多いことから、お蔭様で国内での非住宅物件対応歴20年を超えたフンデガーの特殊加工機シリーズは、益々フンデガーユーザーの皆様に重宝されています。

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製品紹介

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構造材加工機ロボットドライブ

中大規模非住宅対応でまず注目すべきは最大投入可能断面。ロボットドライブは最大300×1300の超大断面を投入することが可能で、新開発の6軸制御ロボットアームと最大18種類の刃物を持てるツールマガジンを装備しています。これにより、すべての面に対する加工を材料の反転やオペレータによる刃物交換の必要なく加工を完了することが出来ます。従来のK2シリーズでは450mm以上の材成は反転することが出来ず、2次加工、3次加工が必要な部材もありましたがが、それらが一度の加工で完了するなど、トータルでの生産性向上にも寄与しています。鉄筋工法系の樹脂注入口の加工が上からも下からも角度・斜角付で入れることが出来るようになったのは好例です。

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構造材加工機K2インダストリー

非住宅対応加工機のパイオニアとして国内導入20年を超えたフンデガーK2シリーズ。その中でも大断面1250mmを扱えることで一世を風靡した「K2i」は多くのプレカット工場にご導入いただきました。そのK2iを更に全方位で上回るべく開発された機械がこの「K2インダストリー」です。「工業・製造業」などを意味する「インダストリー」は、K2iの上位機種として、より高い生産性と自在性を兼ね備える機械として認知されるべく開発されました。ロボットドライブと同じ6軸制御ロボットアームとツールチェンジャーを装備することで、これまで以上の自在性を得て、加工効率も大幅にアップさせています。

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羽柄材加工機ターボドライブ

非住宅物件においても羽柄材加工が必要な場合が当然あります。ターボドライブはhsbcadなどで描いた非住宅物件の羽柄材もそのまま加工出来ます。便宜上羽柄材加工機と呼んでいるターボドライブですが、実は160×450という構造用プレカットと同等の材料を投入可能。丸鋸が水平になるので、シングルスリット加工や四方転びのカット、その他にもドリルによる穴あけやルーター加工も可能となっている為、羽柄材以上の簡単な構造材加工や造作材の加工も可能なところもひとつの特徴となっています。また、2×4工法で作る非住宅物件は比較的コストも安く出来ることから、大開口を必要としない集合住宅等の物件で多く採用されており、大型物件でも2×6などのの木質トラスで大空間を作る例も増えていることから、角度斜角制限フリーで高速カットが可能なターボドライブはまさにうってつけの機械と言えます。

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大断面湾曲材加工機PBA/PBAインダストリー

CLT加工機として世界的に名を馳せているPBAシリーズですが、超大断面や大断面湾曲集成材の加工も得意としています。世界一高い木造展望塔として有名なオーストリアのピラミーデンコーゲルや世界最大の木造建築物であるスペインのメトロポールパラソルはPBAによって加工されました。一方、国内でも都内の駅のプラットフォームや専門学校、復興住宅等すでに多くのCLT加工実績を残しています。今後も非住宅物件で部分的にCLTが使われていくケースも増えていくことが予想され、構造パネルとしてだけでなく意匠的な造作用途としても使われる時、「とても手加工では無理」という大きさのCLTパネル等を加工出来るのがこの機械だということです。